コロナ禍の中、台湾桃園国際空港の貨物輸送が引き続き好調を維持している。国際空港評議会(Airports Council International、ACI)がこのほど公表した2020年の空港別貨物取扱量ランキング(速報値)によると、国際航空貨物の取扱量で台湾桃園国際空港は香港の香港国際空港、中国大陸の上海浦東国際空港、韓国の仁川(インチョン)国際空港に次いで過去最高の4位に上昇した。総取扱量でも世界7位に。いずれも2019年から順位を2位上げている。新型コロナウイルスにより全世界で旅客の航空輸送が縮小する中、好調な貨物輸送は従来以上に有意義なものとなっている。
台湾桃園国際空港を運営する桃園国際機場股份有限公司の但昭璧総経理(社長)によると、昨年の国際航空貨物取扱量は過去最高の234.2万トンで、2019年から7.35%増加。但総経理は、全世界がコロナ禍でダメージを受ける中でこれほどの「高成長」を実現出来たのは感染対策にあたった関係省庁や部署、人や貨物の移動に伴う感染拡大防止に努めた「交通防疫国家隊」、及び全ての国民の努力の賜物であり、それによって台湾の航空貨物輸送業は正常な運営を維持することが出来たと話した。
台湾桃園国際空港の統計によれば、昨年台湾経由の航空貨物の輸送先で特に大きかったのは米国(全体の32%)と中国(同15%)。前年比でそれぞれ25.2%、8.5%の成長となっており、アジアで生産される商品に対する米国の需要が旺盛で、台湾はその架け橋の役割を担っていることがわかる。また台湾のハイテク産業自体の輸出力に加えて、海運されるべき貨物が急ぎのニーズに対応するため、あるいは人手不足や貨物の渋滞、コンテナ不足などを避けるため空輸に振り替えられる動きもある。さらにはコロナ禍がリモート経済とEコマース(電子商取引)を広げたことで中継貿易にプラスの状態が続いている。このため台湾桃園国際空港の貨物取扱量は今後も成長を続けることが予想されるという。